院長より

掲載情報「医道の日本」2016年8月号

月刊 医道の日本

私の下積み時代 第42回

~今の私をつくった、あの頃~

P.156-159

弘明堂治療院/坂井秀雄

 

 

 

 

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掲載情報「医道の日本」2012年12月号

月刊 医道の日本
2012年12月号(Vol.71 No.12)
医道の日本社

特集「高血圧症と鍼灸治療」

P.49-57
高血圧症の治療
弘明堂治療院/坂井秀雄

内容を読む(PDF: 3MB)

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坂井秀雄(さかい・ひでお)
1949年、東京都生まれ。78年、東洋鍼灸専門学校卒業。同年、弘明堂治療院開業。
鈴木敬民氏に師事。ヨガは沖正弘氏、アイアンガー氏に師事。食養学は大森英桜氏に師事。

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掲載情報 :「医道の日本」2010年12月号

月刊 医道の日本
2010年12月号(Vol.69 No.12)
医道の日本社

特集「ウィンタースポーツ障害と鍼灸治療」

P.106-112
鍼灸師のためのライフワーク指南18
〜臨床35年の治療家は東洋哲学をベースに貧欲に臨床実践する〜
弘明堂治療院/箕輪政博

内容を読む(PDF: 2.3MB)

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財団法人 麗澤海外開発協会 30年の歩み 掲載記事

私のネパール体験記(2002年1月)
坂井秀雄

カトマンズ空港に着いてすぐ10人くらいのネパール人に囲まれ、日本語で「どこ行きますか? 富士ホテルですか? 畑さんですか? 畑さんの車が来てます」と言われ、信じて車に乗ってみたものの、ちょっと危険を感じたので、すぐに降りた。空港オフィスで「電話を貸してくれ」と言ったら、この人も「畑さん知ってる、私かけてやる」と言う。到着早々、畑先生の有名なこと、皆から敬意を表されていることにビックリした。

翌朝、8時からロイヤルあんまセンターで、ボランティア向けに初歩の指圧講義をしたが、治療活動をしているベテラン勢の質問が多く、なかなか前へ進めなかった。皆の熱心な姿に驚かされた。

ヘルスキャンプへは朝6時半にホテルを出発・・・。真っ暗な中を10数人乗った軽トラックででこぼこの道を約30分間。灯もストーブも窓ガラスもない吹きさらしの牛小屋のような所で、わらのむしろと薄っぺらな敷布団のみで治療が始まった・・・。患者さんの病態は過労と冷えが原因の膝・腰の病気が最も多い。栄養失調からの喘息、腹痛、頚痛、生理痛・・・。そして怪我をしても近くに病院も薬局もないし、保険制度もなく、未処置のまま固まってしまった病気が多い。一番鍼で治る都会的な虚証の人は約1割で、第一次産業の山村生活者が多いので、五番から十番の鍼が合う。実証の人が9割くらい、ボランティアでもできる即効性のある透熱灸が大変役に立つ。そして何よりも寒い所なので灸頭鍼がたいへん重宝である。

また、畑先生考案の素焼きのヨーグルト用土器によるよもぎの保温器・・・。これはまさにTPOにかなった絶品であるということを、この場所に来て初めて知った。

治療が始まって約1時間、寒さが頂点に達した頃、あっつ~いチャイの差し入れがある。血行が巡り身体が温まり、一気に元気が出てくる。また後半が始まる。11時にカトマンズへ戻ってカジェンドラ君のマッサージを受けた。日本から遠く離れたネパールで超一流の古典のマッサージに出会えるとは思ってもいなかった私は、その場で弟子入りすることに決めた。

1週間のキャンプで私は思った。20人もの若者がよくこんな大変な仕事をボランティアでやるものだ。免許のある人には技術の実践の場として役立つが、免許のない人はまさに奉仕の精神そのものでしかない・・・。将来この道に進めばきっと立派な治療師になるだろう、と思える人が何人かいた。

その他いろいろな考えの人が畑先生の情熱をエネルギーに引っぱられて動いているように感じた。すべてのスタッフを我が子のように思っている先生は、彼らの一語、一挙手一打足に至るまで厳しく叱る。その光景を目の当たりにして私は感動して涙してしまった。

次の計画としてのもぐさの工場も、「雑草でしかないよもぎを仕事のない山村の人に集めてもらい、それを細かく選り分けるのは、目の不自由な人や車椅子の人にでもできる。そして、もぐさとして使えない捨てる部分を利用して、よもぎ染め、よもぎソバ、よもぎもち、よもぎパン等を作ることは、学校に行けない文盲の人たちにでもできる」。こういったすべての考案の元に、「私がいなくなっても皆が自立して生きていけるようにしてあげたい」という母性愛そのものを見た。

今回私はキャンプに何の用意もせずポッと参加しただけで、奉仕活動からくる幸せをたくさん頂いてしまった。当日だけのことを考えても、何日も前から大勢のスタッフが準備をしてくれていたから私が治療をさせていただけたのだし、毎月1回のキャンプも恒例にするには、何年もの地味な努力と大変な苦労の積み重ねがあればこそではないか・・・と思い至るにあたり、私は恥ずかしくなってしまった。

畑先生、スタッフの皆さん・・・ありがとう。

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院長に訊け!

「疲れ目」対策

原因:姿勢の悪さによるコリや目の使いすぎなどで血液の流れが悪くなること。(血の質も悪くなっている)

改善方法:
・思いっきり目をつぶってパッと開ける。
・息を吐きながら、目の玉だけを上下・左右に動かす。
・目のふちの骨を押す。
・塩番茶で洗う。
・長時間のパソコンに注意。
・睡眠を十分にとる。

現代人は目と手しか使ってないから。本当は身体全体の血流をよくするために足を使うといいんだがな~ァ。まァ、緑の中にいるのが一番だなっ。

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体を変えれば、気が変わる。

発行・編集 自主学校「遊」Teco編集部

坂井院長に聞きました。

Q. 授業はどんなことをやっているんですか。

院長 晴れていれば、多摩川の土手に行き、30分から1時間ヨガをやる。やる気のポーズ、明るいポーズ、疲れを癒すポーズなどで深い呼吸をし、体を柔らかくする。その後サッカーをやっている。ひとりひとり違うので、その子のレベルで感じてやればいいと思っている。ゆっくりの子もいれば、バリバリとやる子もいる。体の質がそうさせている。体が知っていて、体がそう言っている。本能的にそうしているので、そこを大事にしてあげる。いいところを見つけて言ってあげる。つい悪いところに目がいってしまいがちだけれど、家族でもたまにでもいいからその子の良さを見つけてほめることが大事。その人の言葉でね。ちょっと前に流行った、オンリーワンの歌はいい。

Q. でも、親としては、このままでいい、と思われるのも困るのですが・・・。

院長 学校を終えたら、一人暮らしをさせるのがいい。だんだんものたりなさを感じてくるから。でも都会で暮らすのは簡単かな。食事はコンビニがあるし。一人旅がいいな。外国とか、違う環境に身をおくのもいい。家から出ると自分の育った環境がみえてくるし、日本を出ると、日本はすごいと思える。

Q. 院長がこの道に入られたきっかけは何ですか。

院長 「指圧の心、母心」で覚えて、中学・高校と牛乳配達をやっていて、そこに指圧の学校に通っていた大人がいて教わったのが初めかな。高校時代はサッカーに明け暮れて、予備校に通っている時いろいろな本を読み、自然とこの道に入っていた。影響を受けたのは、「日本人とユダヤ人」「なんでも見てやろう」「禅問答と悟り」という本。大学に行く必要もなくなって、ボーっとしているくらいなら外国へ行こうと思った。そのためにはお金をためなければならないので、板前の兄のところで働くようになった。板前修業よりも板前さんを指圧するほうがおもしろくて、三年後には、ためたお金で外国に行った。ヨーロッパを自転車で走り回り、後半は、途中で友人になった人の家を渡り歩いた。今でいうホームステイか。一年間、居候、浮浪者していた。でもいろいろずっと考えていた。自然や、観光地など、どこの国でも三ヶ月もいれば大差はない。そのうちに、自分は人間が好きだ、ということに気づいた。すばらしい大自然はたくさんあった。そんな時、すばらしい、といいたい。そこに答えてくれる相手がいれば、喜びは倍増する。漢文の先生が言っていた。山中で何日もひとりで道に迷って、やっとバッタリと人に出会った時は、けんかをする人はまずいない。うれしてくうれしくて、抱き合う。それが「仁」だと。愛、人間だと。二人の人(にんべん)がよりかかる象形文字、これをドイツでであった女性詩人に書いて見せたら感激していた。
その後、日本へ帰り、新宿の「東洋鍼灸」という学校に入った。東洋医学をやっている人が先生で、若い人材を育てたいと意欲的な人だった。そこで、日本人になりたいと思った。東洋的な人間相手の仕事につけたのは、くもの巣を細かく張っていたから。偶然出合ったのではなく、必然だったんだな。好きなことなので、楽しんでいる苦労は感じなかったし、努力でもなかった。好きなことを見つけることが大事。

Q. 好きなことを見つけられるといいんですが、開花にむけていい状態になっていくヒントは?

院長 遊びが大事。遊んでいる時、楽しんでいる時は、自然に体得している。肩の力もぬけている。集中して楽しんでいる時は深い静かな呼吸になっている。
七歳までは、親のまねをするでしょ。子供は親に好かれたい、認められたいと思っている。しつけは厳しくしないほうがいい。放任もいけないが。

Q. 大人の関わりが問題ですか。

院長 中学までだな。大人は、自分の人生を楽しんでいることを見せるのが大事。そして、子どももひとりひとりの違いをみる。違いがわかると違った接し方ができる。
幼稚園、小学校、中学校までは、ぶつかって、削られるのが大事。人との関係が原石を削ってくれる。削られて中が光って、それぞれの色になる。ダイアだったり、サファイアだったり。社会に出てからはその子の個性を生かして、楽しく生きる。楽しい雰囲気に人は集まってくる。時には人に合わせることも大事。人がいて自分の良さが生かせるから。

Q. 三十年間、体を見続けてきて、変わりましたか。

院長 骨の太さが違う。昔はもっと足腰がしっかりしていた。その分、内臓もしっかりしていた。自然のものを食べてきた。今のように添加物や電子レンジ、薬も少なかった。人間は自然だから。
足が地について地面からエネルギーがもらえる。足腰を強くすることが大事。今は生まれるとすぐ自動車で移動する。そうでなければ自転車に乗せる。歩いていない。小学校もグランドで遊んでいる姿はあまり見かけない。木登りは最高なんだが。授業で頭を使う前に走るとか体を動かすと、上(頭・首・肩)の方の力がぬけて、交感神経の働きもよくなり、勉強しやすい状態になる。昔の子はやせていて真っ直ぐしていた。朝早く起きて、水汲み、洗濯、ごはんの仕度を手伝うとかでよく動いていたし、ストーブもなかった。体ができていた。今は環境がそうさせてしまった。

院長夫人 針灸院を始めた頃は、お年寄り相手の仕事だと思っていたけれど、こんなに子どもや若者が多くなるとは・・・。

Q. 子どもは何歳から診てもらえるんですか。

院長 針・灸は、体が本来もっている自然治癒力を高めるものなので、赤ちゃんでもだいじょうぶ。
小さい子がいるお母さん達は、じいちゃん、ばあちゃんと暮らしている人が少なくて、教えてもらったり相談できる人がいないので、熱がでるとすぐにお医者さんに行ってしまう。西洋医学が入ってきて、医者は何でも知っている人という認識が強くなって、民間療法はお灸など、日本の伝統的な良さを伝えて、維持していく人が減ってきているのは残念だ。
地球上には、相反しながらもひきつけあい、バランスをとっている「陰と陽」のふたつの力が働いている。自然界、人間、食べ物、全ての事象が、陰陽からなっている。宇宙的には月が陰で、太陽が陽。人間なら女性が陰、男性は陽。体は陰で、心は陽。血は陰で、気は陽。ひとりの人間のなかにも陰と陽はある。そう考えると落ち込まないで、人生が楽になる。陽ばかり大きくなりすぎるとバランスをくずして不安定になるので、呼吸を深くし、足腰を使う。体は、ほっとくとどんどん硬くなっていくので、ヨガでほぐして、バランスをとるといい。

Q. 自分でバランスをとれているのか分からなくて、鬱状態の人が身近にもいるんですが、どうアドバイスすればいいのでしょうか。

院長 同じ格好でいると、姿勢を変えて伸びをしたり、ため息がでたりする。それで酸素が足りなかったことがわかる。それを気づかせてあげる。姿勢はとても大事。あごが前に出てると、声が変わる。姿勢が悪いと内臓も圧迫して血のめぐりが悪くなる。脳を生かすのは血液だから。

Q. 朝もなかなか起きられなくて、夜起きている時間の方が長くなっていくらしいです。

院長 暗いところが好きになっていくんだね。夜でも散歩するといいが・・・。朝起きれないのは結果であって、夜に原因があるはず。夜はどうしているんだろう。お風呂にはいると体が緩んでリラックスするので、あったまったところで布団に入る。あんかでも電気毛布でもいいから布団をあたためておくと寝やすい。寝ている間に疲労回復できる。
今の前に原因が必ずあるので原因を探す。体、性格、今までの積み重ねをよく観て、謙虚に認められるか。できなくても、わからなくてもいい。親ぶったり、先生ぶったりするのは、自分に自信がないから。謙虚さがないから。ぶっていなければ、疲れないし、ストレスもたまらない。ストレスのおおもとは自分。ゴムまりになるのか、硬球になるのか。ゴムまりなら硬いものにぶつかってもはねかえって痛くない。先生ぶらない、親ぶらない、気楽に楽しく。

Q. 楽しく明るく生きてきた人でも五十歳前後に更年期障害になって、鬱になったり体調を崩したりする人を多く見かけますが、そんな時はどう対処すればいいですか。

院長 活発に働いてきた人は、考える暇もないから感じないで通り過ぎることもある。

Q. 確かに家に居る人はなりやすいかもしれないですね。でも私は、朝八時半になると決まって首から上が熱くなって、だるい時期がありました。その年齢になると今までみたいに無理はしてはいけない。ライフスタイルを変えなさい、という体の信号かもしれないですね。

院長 五十歳くらいまでしか内蔵は活発に動かないので、そのくらいの年齢で大病する人も多い。五十肩もそう。若い時から体を冷やしてきたり、お産のあとの過ごし方も無理をすると、後になってひびいてくることも多い。子宮内膜症や生理不順、不妊症も増えている。男の人のビールの飲みすぎも体を冷やし、血を薄くするのでよくない。

Q. 若い子達は、ズボンの股上が浅くてみんなお腹や背中を出していて気になりますよね。

院長夫人 そうなのよ。でも、最近は若い人達の間で腹巻が流行っているのよ。今、薄手のかわいい柄のが売ってるから。

院長 体を冷やさない。夏は特に冷房に気をつけて、冷たいものを飲みすぎない。
静かなこともし、活発なこともする。中庸が大事。
足腰を強くする。そのためになるべく歩く。電車通勤なら一駅でも歩くようにするとか工夫して。頭痛は肩こりからくることが多い。肩が硬くなると、頭にいい血が行かなくなる。歩けば肩こりもなくなる。山登りは特にいい。
姿勢をよくし、体をよく動かし声をだすと体が変わっていき、気、雰囲気も変わってくる。気持ちも明るくなり、好きなことも見つけやすくなる。好きな事が見つかったら、楽しみながらやる。そうすれば人も集まって、ますます楽しくなる。

編集後記
「うわーい、スバラシイよね・・・」
寝起きの悪い娘(小三)が窓全開ではしゃいでいる2008年1月23日の朝。
天気予報を信じて来る日も来る日も待っていた目の前の白い庭。
手を伸ばして結晶を見てみる。うん、確かに・・・。
本物の美しさを手の中にギュッとまるめて出来た小さなダルマ。
わかっているんだね。形状に関する知識や経験がなくても、そのものが美しいという事を。
または、自分達が同じところから降りてきたという事を。

雪は陰か陽か? 坂井院長に聞いてみようかな? (い)

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